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人生という名の夏休み

旅、花、庭、畑…、備忘録代わりの写真日記

鳳凰三山  (1)  夜叉神峠から南御室小屋

カメラを持ってくるのを忘れたのは、最寄駅から都心へ向かう急行に乗った直後だった。
この日は静岡に前泊して、夜明けとともに山梨県に向かう予定であり、新大阪から最終の
新幹線に乗らねばならず、引き返す時間的余裕は、もうない。

実に12年ぶりに南アルプスへ足を踏み入れるというのに、何たることやら…orz

翌朝、登山口の夜叉神峠駐車場には、8時半に到着。

    201807 houosanzan 100

道路の路肩に設けられた駐車場は、シーズン最盛期とはいえ、3分の1程度の駐車。
海の日の三連休は、早々に満車だったそうだが、この日は平日であり、登山口に近いスペースに停め、
身支度とストレッチを始める。

ここから夜叉神峠までは、標高差約400mをおよそ1時間で登りつめる。

    201807 houosanzan 105

地図では等高線を横切るように見えるが、歩き始めると、落葉松林に続く道は、それほど急登ではない。

上空は既にガスがかかり、陽の射しこまない森の中を進み、ぐんぐん高度を稼ぐ。
不思議なことに、セミや小鳥の鳴き声がしない。もっと言えば、登山者にも出会わない。

このコースは、深田久弥の百名山・鳳凰三山へ続くコースであり、それなりに登山者がいるかと思いきや、
拍子抜けであるが、首都圏からだと、中央道須玉IC側の御座石温泉や青木鉱泉が好まれるのだろうか…。

そんなことを思いながら、頭上が明るくなると、夜叉神峠小屋に到着。

    201807 houosanzan 117

時刻は9時半。ほぼコースタイムどおりに登ってきたことになる。

尾根上に出たことで、西側には、北岳から間ノ岳、農鳥岳に続く白根三山が眺められるはずだが…

    201807 houosanzan 110

猛暑日が続く中、ギラギラとした陽射しを受けて熱せられた山からは、ガスがどんどん舞い上がり、
既に三山を覆い隠している。

小休止のあと、尾根伝いに続くコースを登る。
途中の林の中に、群れを離れた若いサルの姿…

    201807 houosanzan 120

ズームにしてみたものの、いかんせんアイフォンでは、粗い画像となってしまう。

実は、今回の登山直前に、久しぶりに富山県警の「ピッケルを持ったお巡りさん」を読み返したのを契機に、
岐阜県警の山岳警備隊「山靴を履いたお巡りさん」をはじめ、岩崎元郎氏の「今そこにある山の危険」や、
山岳遭難にまつわる著書が多い羽根田守氏の「ドキュメント・滑落遭難」、「山岳遭難の教訓」、
「ドキュメント生還 -山岳遭難からの救出」などを立て続けに読み漁った。

        201807 houosanzan 125
   (ガスが立ち込める稜線)

紹介される事例は、遭難時のわずかな判断の差が生死を分けること、瀕死の重傷を負って何日も救援を
待つ遭難者の行動や心理状態など、いずれも示唆に富んでおり、自らも改めて今回の登山にあたっては、
これまで装備になかった非常用ツェルト、ポイズンリムーバーなどのファーストエイドキットを揃え、
非常食も多めに用意したのだが、その分、カメラへの意識が疎かになってしまったのかと思う。

返す返す、出発前の確認不足が悔やまれるが、日頃、1日の山行で、数百枚もの写真を撮る自分にとって、
久しぶりの南アルプスに挑むにあたり、山歩きに集中せよ、という啓示なのかとも思う。

ともあれ、針葉樹の中の登りは順調で、午前11時には杖立峠に到着。

    201807 houosanzan 130

このコース独特の鉄管製の道標。その名にあやかって、ストックを立てかけて、しばし休息。

さらにこの先、山火事跡と呼ばれる地点を正午頃に過ぎ…

    201807 houosanzan 135

これもまた群れから離れた若い鹿に出会ったり…

    201807 houosanzan 145

標高の高い所でしか見られない蝶に遭遇。

        201807 houosanzan 147

この蝶は、南御室小屋のブログ「小屋番日記」で紹介していたな…と思いつつ、名前が思い出せない。

やがて、道は涸れた沢のような所を進んだりしつつ、標高2,524mの苺平(いちごだいら)に到着。
 
    201807 houosanzan 150

針葉樹の森に不釣り合いな「イチゴ」の響きだが、周辺には、シロバナヘビイチゴが自生していることが
その名の由来だそうだ。

ちなみに、時刻は12時55分。標準コースタイムより30分以上早く、なかなか順調なペースである。
ここまで来れば、今日の目的地、南御室小屋までは約30分。
標識に従い、小屋への道を進み始めると、かなりのペースで下り続ける。

ほぼ平坦なコースかと想像していたが、途中で、本当にこのコースで合っているのか心配になるほど
下り続けると、小屋手製の看板が現れる。

    201807 houosanzan 155

看板どおり、ここは北東側が開けているせいか、電波状態が良く…

    201807 houosanzan 157

大学の生物研究会に所属する愚息に、先ほどの蝶の画像を送ったところ、普段は既読無視ばかりの
愚息から速攻で、「(クモマ)ベニヒカゲ」との返信…(笑)

やがて、前方の樹林の間に朱色の屋根が見え始めると、クラシカルな雰囲気の南御室小屋に到着。

201807 houosanzan 160-600

時刻は午後1時30分。少し早めであるが、今日の登山はここまで。
受付を済ませて、表の広場でくつろいでいると、雲間から雷鳴が聞こえ始める。
(つづく)


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  1. 2018/07/23(月) 19:05:51|
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