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人生という名の夏休み

旅、花、庭、畑…、備忘録代わりの写真日記

気持ちに余裕のない登山の先に… 奈良・明神平

奈良・明神平へ続く登山道は、落ち葉が敷き詰められた林道歩きから始まる。

     201811 myoujinndaira 100

時刻は午後2時近く。登り始めるには、かなり遅い時間で、下山してくる登山者からも奇異な視線で
見られているような気がする。

そんな中、大又川に沿って荒れた林道を、滝や紅葉にカメラを向けつつ進む。

  201811 myoujinndaira 110-2
         201811 myoujinndaira 120

この日は、当初、同じ台高山地の白屋岳を登る予定が、アプローチの林道があまりに狭小で断念…。

次に、木ノ実矢塚から薊岳を目指すべく、林道麦谷線に入ったものの、ここ数年来の道路復旧工事が
まだ完結しておらず、再び断念…。

結局、明神平の登山口の駐車場には、午後1時半過ぎに到着。
当初、車で林道をできるだけ詰めた上でのお気楽登山のつもりだったため、ヘッドランプも持っておらず、
夕暮れまでに片道1時間半の明神平まで行って戻るには、時間の余裕はほとんどない。

普段以上に早足で明神谷を詰め、徒渉を突破し、ジグザグの坂を駆け上がるように登ると…

201811 myoujinndaira 130

広葉樹がすっかり葉を落とした森は、明るい冬の装いになっている。

年中涸れることのない水場を越え、落ち葉をカサカサ踏みしめ、最後の登りを登り切ると…

201811 myoujinndaira 160

青空に下に広がる明神平の眺めに、心も解き放たれるようだ。

明神岳方向を見上げると、葉を落とした広葉樹の森が、柔らかい毛皮のコートを身にまとったように…

201811 myoujinndaira 170

西側に目を転じると、稜線の彼方に頭を出す薊岳…

201811 myoujinndaira 180

いつまでも名残は尽きないが、夕暮れまでに戻らねばならず、15分程度の滞在で下山を開始。

スムーズな足運びで、森を駆け降りる。

201811 myoujinndaira 200

そして、このあと、ジグザグの急坂の最後に差し掛かったところで、悲劇に見舞われる。

落ち葉に隠されていた木の根に足を取られ、しまったと思った瞬間、山側に転倒。
そのはずみで、山肌から伸びていた木の枝が右耳の奥まで、ずっぽりと入ってしまったのだ。

右耳の奥に激痛を感じ、鼓膜を破いてしまったかと覚悟しつつ、ゆっくりと枝を耳から抜くように立ち上がったが、
右耳は、ビーンと音が鳴って、しばらく聞こえない状態に…。

両手にストックを持っていながら、時間的な焦りから慎重さを欠き、転倒したことを激しく後悔するとともに、
反対の谷側に転倒していれば、10m以上滑落してもおかしくない場所だけに、助かったとも思う。
ただ、30年ほど山歩きをしていて初めての経験に、少なからずショックを受ける。

幸い、足腰はなんともなく、下り続けるのに支障はないものの、時刻は既に3時半過ぎ…。
耳の痛みをこらえつつ、誰もいない山道を下り続けることに、急速に不安を感じ始める。

このあと、右耳の聴力は徐々に回復し、夕暮れまでに駐車場に戻ることができ、車を2時間ほど運転して帰宅。

夕食後には痛みも和らぎ、出血もなく、ひとまず日常生活に戻れたかと思っていたところ、翌日、受診した耳鼻科で、
「これ、相当痛かったでしょう。」と、血まみれの鼓膜や、ひどく傷ついた外耳道の画像を見せられ、茫然…。

鼓膜が破れているか否かは、かさぶた状の血の塊が取れてから再受診、それまでは点耳薬を処方することに。

以後、聞こえ方に異常はなく、自分の中では治癒したと自覚しつつも、反省することの多い山行となった。

あまりにお粗末なことに至った原因はただひとつ…

201811 myoujinndaira 140

山登りは、時間と心に余裕を失った瞬間、危険で無謀な行為に豹変してしまうことだろう。


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  1. 2018/11/25(日) 22:04:05|
  2. 近畿の山
  3. | コメント:0

奈良県吉野郡東吉野村 丹生川上神社

奈良県東部の山間に位置する東吉野村。
林業と素麺づくりを主な産業とするが、この50年ほどで人口は7,000人から1,500人へと激減…。
高齢化率に至っては、2015年時点で53.7%と、実に村民の半分以上が65歳という過疎の村である。

丹生川上神社中社は、その村内を流れる高見川と日浦川、四郷川が十字型に合流する地に位置する。

201811 nyuukawakamisya 100

訪れた2018年11月中旬の週末、真っ盛りの紅葉が小春日和の陽射しを受けている。

201811 nyuukawakamisya 110

丹とは水銀の原料、それが生まれる所が「丹生=にゅう」。これは日本各地で見られる地名だが、
紀伊半島では丹生を冠する神社が、吉野を中心に10か所以上も存在。

この丹生川上神社は、7世紀の白鳳時代に創建され、水の神、雨の神として崇められてきたと伝えられる。

201811 nyuukawakamisya 115

そんな長い歴史を有するこの地は、幕末に尊王攘夷を唱え、蜂起した「天誅組」終焉の地として、
幕末史に名を刻んでいる。

201811 nyuukawakamisya 160

天誅組は、幕末の尊王攘夷運動の高まりの中、幕府に対する本格的な武装蜂起として、その後の倒幕、
明治維新の先駆けとなったという評価もあり、天誅組が代官所を襲った奈良・五條市に至っては、近年、
「明治維新発祥の地」などと称し、天誅組を観光資源としているようだ。

       201811 nyuukawakamisya 120

ただ、自分は、天誅組の実態について調べるほど、尊王攘夷の熱気に舞い上がった血気盛んな
他国の連中が、天皇の大和行幸に乗じ、善良な民衆を巻き込み、静穏だった大和の各地を荒らし、
多くの命を散らすに至った、なんともやるせない事件のように思える。

201811 nyuukawakamisya 150

とりわけ気の毒なのは、県南部、十津川村の人々だ。
古代より朝廷警護に携わるなど、長年にわたり天皇に対して忠誠を尽くしてきた十津川は、村人全てが
「郷士」とされてきたが、天誅組の首謀者から、その愚直なまでの勤皇の姿勢につけ込まれ、結果、
多くの犠牲を払うことになってしまう。
一方で、首謀者の何人かは、長州や京へ逃げ帰ってしまう…。

     201811 nyuukawakamisya 140

天誅組騒動から約40年を経た明治38年には、東吉野村で、ニホンオオカミが最後に捕獲されたとされるが、
明治維新の近代化の中で、姿を消していったオオカミと、天誅組に翻弄され、この地で命を散らした大和の
人々の姿が重なってしまうのは、自分だけだろうか…。

       201811 nyuukawakamisya 220

そんな歴史に思いを馳せると、紅く色づくカエデに、この地で流された血を思わずにはいられない。



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  1. 2018/11/23(金) 10:16:02|
  2. 紅葉
  3. | コメント:0

屏風岩、住塚山、国見山

柱状節理を彩る紅葉…

201811 byoubuiwa 125

奈良県東部、ススキの大草原で知られる曽爾村の西部に位置する屏風岩は、長さ2㎞にも達する断崖。

201811 byoubuiwa 100

その足元の屏風岩公苑は、春は桜、秋は紅葉スポットとして賑わい、この期間は駐車場も有料(2018年時点500円)となる。

大きな望遠レンズのカメラマン達を横目に、登山道を進むと、やがて針葉樹の急登となる。

201811 byoubuiwa 102

小枝が綺麗に打ち払われ、手入れが行き届いた美林だが、9月の台風に伴う倒木も目立つ。

      201811 byoubuiwa 103

時々、倒木を乗り越えたり、時に迂回したりと、コースタイムが思うほど短縮できない。

針葉樹の急登を終え、稜線伝いの道を進み、頭上が明るくなると第一の目的地、住塚山に到着。
標高1,009mの山頂から東側を望むと、錦秋の山々が広がる。

201811 byoubuiwa 105

手前に起伏の激しいのは屏風岩上部の稜線、その奥に存在感のある古光山。
さらに奥には、大洞山から尼ヶ岳の稜線、最奥は局ケ岳だろうか。
南側には、高見山から池木屋山、南東には大峰の主稜線も望める。
ただ、住塚山頂のシンボルである大きな松は2本とも、幹が折れ、無残な姿をさらしている。

ここで10分ほど休憩ののち、国見山を目指す。
道は明るい稜線の上り下りが続く。

      201811 byoubuiwa 110

この先、ロープの伸びる岩場が次々と現れ、ほどよい緊張感が続く道を登り切ると、国見山の頂。

201811 byoubuiwa 115

標高1,016m。乾いた広場の山頂からは、名張方面の市街地、鈴鹿の山々が望め、さらに東に目を転じると…

201811 byoubuiwa 120

倶留曽山からの稜線が、日本ボソ山の三角錐へと伸び、さらに右側の黄土色の草原、曽爾高原へと続いている。

秋晴れのこの日、曽爾高原は駐車場へ入る車で渋滞しているのだろうなぁ…などと思う。
ひるがえってこちらは、屏風岩で10人ほどハイカーやカメラマンに出会ったものの、登山道では単独行の男性と
すれ違っただけ。

山頂からの眺めをしばし満喫した後、登ってきた道を住塚山へと引き返し、屏風岩を仰ぎ見る公苑まで戻る。
屏風岩を彩る紅葉は、西日で黄色味を増し…

201811 byoubuiwa 130

公苑の南側に広がるススキの群生の向こうには、台高の山並みが続く。

201811 byoubuiwa 135

銀色のススキの穂、深い緑の山襞、静寂に包まれた秋の山…


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<山行記録>
 2018年11月上旬 快晴
 屏風岩公苑 12時35分 ~ 13時8分 住塚山 13時18分 ~ 14時1分 国見山 14時12分 ~ 15時32分 屏風岩公苑

  1. 2018/11/18(日) 17:11:45|
  2. 近畿の山
  3. | コメント:0

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HAM1826

Author:HAM1826
季節の草花、温泉、旅行記をはじめ、自分の気に入っている風景を写真日記風に綴っています。

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