人生という名の夏休み

旅、花、庭、畑…、備忘録代わりの写真日記

熊ノ平信号場跡

雑草に覆われ、赤茶色に錆びたレール…

201806 kumanotaira 110

長野県・軽井沢と群馬県・横川の間に続く碓氷峠越え。
平成9年に長野新幹線が開通するまで、信越本線として、東京と長野の大動脈としての機能を担っていた。

多くの特急列車が行き交ったトンネルは、今もぽっかりと口を開け、その先にはさらに急こう配が続く。

201806 kumanotaira 120

66.7パーミル、すなわち、1㎞進むごとに66.7mの高さを登るという、日本屈指の急こう配区間は、
遠目にも急な坂であることが窺える。

この熊ノ平信号場は、そんな急こう配の途中のわずかな平地に造られた行き違い設備。

201806 kumanotaira 130

隣接する変電所は、廃墟と化している。

周囲には人家も見当たらないが、かつては、碓氷峠の要衝として、多くの鉄道員とその家族が暮らしていたという。

201806 kumanotaira 150

急峻な山あいに造られた信号場は、ブレーキの利かなくなった貨物列車が逆走して、トンネルに激突した事故をはじめ、
梅雨の豪雨による大規模土砂崩れで、鉄道員やその家族ら数十名もの命を奪った悲劇の場所でもある。

明治26年の開通から、平成9年まで104年余りにわたり、鉄道を支えた遺構…

     201806 kumanotaira 140

ゆっくりと、しかし着実に草に埋もれていく、その姿…



  1. 2018/06/19(火) 23:03:32|
  2. RAILWAY
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SLやまぐち号

時代を遡ったような駅名標…

201805 SL yamaguchi 105

SL「やまぐち号」の始発駅・津和野。

先頭を飾るのは、通称「デゴイチ」のD51型蒸気機関車。

201805 SL yamaguchi 210

昭和54年のSL復活以来、長らく「やまぐち号」の先頭に立ってきた、「高原のポニー」こと、C56型機関車に代わり、
平成29年から任務に就いている。

機関車の後ろにつながる客車は、チョコレート色の旧型タイプ…

201805 SL yamaguchi 110

一見、クラシカルに見えるこの車両、実は平成29年秋に製造されたばかりの新車。

新型車両の導入にあたって、JR西日本はグリーン車まで建造…

    201805 SL yamaguchi 220

今後も10年以上の相当の期間にわたり、ここでSLを走らせるというJRの意気込みが窺える。

重厚な造りの車内に、一歩足を踏み入れると…

         201805 SL yamaguchi 160

木質感のある内装に円形の白熱灯の照明。これもおそらくLEDだろうな…

車内は、木をふんだんに使った旧型客車の仕様…

    201805 SL yamaguchi 120
        201805 SL yamaguchi 130

窓の金具も忠実に再現されている。

とはいえ、客室内は空調もほど良く効いており、自動ドアが閉まる際には、電子音のチャイム…。
発車の際のガクンという客車特有の衝撃もなく、スーっと滑り出すようで、最新の電車に乗っているような感覚になる。

長い汽笛を合図に津和野を出発すると、島根と山口の県境の峠を登り始め、黒煙と蒸気が車窓を流れる。

201805 SL yamaguchi 115

急坂をあえぐように、ゆっくりと登り、峠のサミットを越えると、今度は一転、軽やかな走りとなる。
心を揺さぶるような汽笛といい、SLにはどこか生き物のような感覚を覚える。

途中の停車駅の駅名標は、津和野と同じように、旧字体のものが設えられ…

   201805 SL yamaguchi 300
       201805 SL yamaguchi 360
     
曇天の中、田植えを終えたばかりの田や、このあたり特有のリンゴ園の間を縫うように走る。

車内は中高年のグループ、家族連れが目立ち、賑やかな話し声からも、乗客の高揚した気分がうかがえる。
その中で、ポッカリと空いていたいくつかのボックス席も、途中、渓谷美で知られる長門峡駅から、中国人
観光客がどっと乗り込み満席に…。

車窓は、あいにくの天気にも関わらず、沿線にはSL目当てのカメラマンや、列車に向かって手を振る人の姿が多数…

   201805 SL yamaguchi 320
          201805 SL yamaguchi 330

東武鉄道でSL「大樹号」を運行を開始するにあたり、沿線で列車に手を振る取組みが進められていると聞くが、
運行開始から40年近くを経た「やまぐち号」では、もはや、地域にしっかりと根付いたものなのだろう。

余談だが、手を振るという仕草は、相手の事を思い、その魂を引き寄せる願いを込めることが由来だという。
別れを告げるとともに、再会を願う、あるいは、忘れないでほしい、ということにつながるのだろうか…。

やがて「やまぐち号」は、市街地の中を走るようになり、湯田温泉駅に停車すると、中国人観光客をはじめ、
団体客のほとんどがホームに降り立ち、駅前のロータリーに横付けされた観光バスに吸い込まれていく。

湯田温泉駅をひと際長い汽笛で出発すると、ほどなく終着駅・新山口へ…

201805 SL yamaguchi 340

リニューアルされた駅と、どことなく不釣り合いな「デゴイチ」。
つかの間のタイムスリップ、いや、新旧混在のSLの旅だった。



  1. 2018/06/04(月) 22:17:12|
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餘部鉄橋 (その2)

餘部駅に到着した浜坂行キハ47、2両編成

201804 amarube 206


プラットホームの東側に、今も残る旧餘部鉄橋の先端部…

     201804 amarube 207-3

下から見上げる旧鉄橋の橋脚

     201804 amarube 204-3

かすかに湾曲する現在のコンクリート橋梁

     201804 amarube 202

その直下に位置する聖観音像は、列車転落事故による犠牲者を弔うもの。

強風により、列車が橋から転落する事故から32年…

201804 amarube 218

尊い犠牲の上に、架け替えから8度目の春を迎えた餘部橋梁…



  1. 2018/04/14(土) 21:23:53|
  2. RAILWAY
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餘部鉄橋

年度末の繁忙、新年度の人事異動がひと段落した日、昼前に職場を抜けて、ターミナルから北西へ向かう電車に飛び乗る。
空席ばかりが目立つ電車は、大阪を離れるにつれ、鄙びた風景の中を進むようになり…

201804 amarube 100

新緑と呼ぶにはまだ早い、うっすら鶯色のヴェールをまとったような里山や田畑が車窓を流れる。

豊岡で2両編成のディーゼルカーに乗り換えると、やがて日本海が見えだす。

201804 amarube 105

トンネルを抜けると入江と集落が広がる景色が繰り返される。

香住を過ぎ、鎧駅を出た列車は、海岸に迫る山肌に沿って走り、2つ目のトンネルを抜け出ると、真新しい
コンクリート橋を渡り始め、宙空に飛び出すような感覚のまま、駅に停車する。

薄暮の中、降り立ったのは、山陰本線・餘部(あまるべ)駅。

201804 amarube 110

小さな漁村を見下ろす駅には、隣接する旧線跡が歩道として整備されている。

ひとまず、急な山肌にジクザグに取り付けられた細い道を集落に向かって下る。
紅い鉄橋の橋脚を背景に咲く桜…

201804 amarube 114

かつて、駅の建設のために地元を挙げて資材を運び上げたという急な坂道を
下るにつれ、高さ41mの鉄橋の全容が見えてくる。

201804 amarube 116

見上げると、コンクリート橋、旧餘部鉄橋、ガラス張りのエレベータータワーの競演…
(つづく)



  1. 2018/04/11(水) 08:24:38|
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「夜の停車駅」 肥薩線・嘉例川

小雨そぼ降る夕暮れ、映画のセットのようなたたずまいの駅舎…

201801 kareigawa 100

JR九州・肥薩線の嘉例川駅。

明治36年に開業した当時のままの駅舎は、登録文化財に指定されている。

201801 kareigawa 120

古色蒼然とした駅を1日に利用するお客さんの数は、わずか75人…。
無人駅になったのは昭和59年、既に30年以上もの月日が流れている。

摩耗した改札口…

    201801 kareigawa 140

かつては、九州を南北に貫く大幹線を成していた旧鹿児島本線の駅として、多くの人々が行き交った改札口。
鈍く光る木は、往時の賑わいをどう思っているのだろう…

まもなく、吉松行の列車が到着…

201801 kareigawa 220

乗り降りする客のない夕暮れ。時刻は午後7時前…

201801 kareigawa 260

1両編成のディーゼルカーは、ブルンと車体を震わせると、静かに駅をあとにした。

     201801 kareigawa 240

ジェット機が離発着を繰り返す鹿児島空港からわずか2㎞、時代に乗り遅れた「夜の停車駅」




  1. 2018/01/20(土) 23:06:25|
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HAM1826

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