人生という名の夏休み

旅、花、庭、畑…、備忘録代わりの写真日記

ブナ哀し… 高見山

奈良・三重の県境に位置する高見山

201705 takami190

標高は1,248mとそれほど高くはないものの、その端正な山容は、西側から望むと際立つ。

国道から旧道に入り、登山口のある峠の駐車場に車を停める。
訪れた5月下旬、ジグザグに斜面を刻む急な登山道を進むにつれて、ヤマツツジが増え…

201705 takami 100

頭上でウグイス、三重県側の谷からは、カッコウの鳴き声がこだまする。

坂が急なだけ、面白いように高度が稼げる登山道。
少し開けた所で振り返れば、国見山から明神岳、池木屋山、遠く大台ヶ原・日出ヶ岳まで伸びる台高の山並み…

201705 takami 110

針葉樹と広葉樹の混じる森では、季節が進むほどに広葉樹の色が濃くなり、その境目がわからなくなる。

頂上直下まで来ると、東側の眺望が開け、奥に三峰山の姿が…

201705 takami 120

谷あいには、伊勢詣に多くの人が行き交った和歌山街道が、右奥の東側へと伸び、それに沿って
小さな集落が点在するのが見える。

そして、急坂に息を弾ませ登ること50分、山頂に到着。

201705 takami 130

東西に細長い山頂には、八咫烏を祀る高角神社が鎮座する。

山頂直下の西側には、ブナの森が広がり、緑のシャワーを楽しみにしていたものの…

    201705 takami 145
           201705 takami 155

そこに広がっていたのは、山火事にでも遭ったのかと思うほど、無残な立ち枯れ…。
温暖化に伴う森の乾燥化か、あるいは酸性雨の影響か、乾き切った山肌には、広葉樹の幼木すら見られない。

仮にここに実生を植え、鹿の食害を防ぐなど、人工的にブナの森の再生を図ったとして、元の原始の姿に戻すには、
おそらく50年、100年単位の年月を要するのだろう。
一方で、森を破壊するまでの時間は、数年もあれば、いや暴風雨なら半日あれば、十分なのかもしれない。

翻って、人の世の信頼も同じ。
小石を積み上げるように、長い時をかけて少しづつ信頼を積み重ねていっても、崩れる時は一瞬…。
石を崩さぬように、息を殺して積み重ねながら生き続けるのは、時に窮屈だと感じることがある。

不完全燃焼な思いのまま、登ってきた道を下り始めると、朝から薄曇りだった中で、ようやく森に光が射すように…

201705 takami 160-2

明るい緑の中で、カッコウの声を慰めに帰路についた。


 

  1. 2017/06/18(日) 21:24:16|
  2. 近畿の山
  3. | コメント:0

曇りのち… 氷ノ山

小学校以来の友人とは、すっかり疎遠になっていた。

小中高と同じ学び舎で過ごし、大学こそ違えど、同じ京都で学び、さらに就職先が同じということもあり、
お互いの結婚披露宴で友人代表でスピーチする仲だった。

やがて、住む街も離れたという物理的な距離に加え、就職から25年以上を経て、仕事上の部門が離れたこと、
立場が微妙に異なってきたこともあり、心理的な距離が開いてしまったことが、哀しいかな現実だった。

それまでは、近畿・中国・四国の山を一緒に歩くことが多かったものの、それもいつか絶えてしまっていた。

     201705 yama 600

この先、仕事が正念場を迎える前に、思い切って山歩きに誘ってみたところ、「軽めの山歩きなら…」とだけ、
LINEでの返事。
素っ気ない文字から察するに、あまり乗り気でないのに、気を遣っているのだろうか…などと思案する。

約束前夜、待ち合わせ場所を念押しするため、再びLINEを送信したものの、既読がついただけで返信はなく、
当日の朝が来ても、本当に来るかどうか、半信半疑のまま、待ち合わせ場所まで車で出向いた。

高速のインターにほど近いコンビニに、約束時刻の3分前に到着すると、早朝のコンビニの駐車場で、
周囲の目を気にすることなく、パンにかぶりついている友人の姿がある。
こちらに気が付くと、気取ったところがない人柄そのまま、人懐っこい笑顔で、「おぅ!」と右手を挙げる。

助手席に乗り込んできた大柄な友人に近況を尋ねる中で、以前、週末出勤が多いと聞いていたことについて
話題を向けると、今年の春にその職場から別の部署に異動していたとのこと。
同じ勤務先とはいえ、千人を超える異動者リストの中で、友人の名を見落としていた自分の不明を詫びた。

しかも、友人は異動後に、自分の職場の近くに用事があった折に、様子を見に来てくれたものの、
自分がキリキリと忙しそうな状況だったので、声をかけるのを控えたとのこと…。

重ね重ね友人に謝るとともに、心に余裕もなく、心理的な壁を作ってしまっていたのは、誰あろう自分であった
ことを恥ずかしく思った。


その後、高速の渋滞に巻き込まれつつも、お互いの仕事のこと、子どもの受験に関わる話などが尽きないうちに、
兵庫と鳥取の県境・氷ノ山(ひょうのせん)への登山口、大段ヶ平(おおだんがなる)に、午前10時前に到着。

めざす標高1,510mのドーム状の山頂は、駐車場からも望むことができるが、あいにくの曇天…

   201706 hyonosen 70

友人との過去の登山は、雨に遭うことが多かったので、「(今回も降られるか…)」などと不安がよぎる。

軽いウォーミングアップのあと、登山口へ。

         201706 hyonosen 110-2

ここから山頂までの標準コースタイムは、約1時間40分。
かつては、コースタイムの7掛け、8掛けが当たり前だった二人も、今や膝や腰を気遣いながら進むオジサン…(笑)

登山道は、そんな老体をいたわるかのように緩やかに緑豊かなブナの森の中に続き…

      201706 hyonosen 170

頭上では、ウグイスやホトトギス、時にカッコウの鳴き声が響く。

この先、尾根伝いに続く広い道を進み、少しづつ高度を稼ぎながら、時折、木の間から遠くの山並みを望む。

   201706 hyonosen 130

東側に遠望できる山並みは、東床尾山あたりだろうか…。

久しぶりの1,500m峰、友人は自分以上に長いブランクにも関わらず、快調なペースで先行する。

   201706 hyonosen 125-2

積雪量の多さを物語るかのように、ブナの根元はJ字型にたわんでいる。

この広い登山道の脇は、背の高い笹で覆われているのだが、このあたりで登山者のみならず、地元の年配の方
たちが熱心に採り続けていたのが…

   201706 hyonosen 140

いわゆる「根曲り竹」。年配の方に尋ねると、茹でてスライスしたり、グリルで焼いても美味しいとのこと。

やがて登山道は、神戸大学の山小屋の前で、ハチ高原からの道と合流し、そこからさらに進むこと20分余り、
笹原の中に立つ小屋が見え出すと、山頂はもう間近…

201706 hyonosen 180

そして駐車場から約1時間40分、心配していた雨にも遭わず、ほぼコースタイムどおりで山頂に到着。

201706 hyonosen 230

時刻はちょうど昼食時。三角屋根の小屋の周囲では、20人余りの登山者が弁当を広げたり、コンロで湯を
沸かす光景が広がる。

そんな中で、友人とともに鉢伏山側の展望が広がる斜面で昼食を摂る。

201706 hyonosen 200

スキー場のゲレンデが広がる柔らかそうな山容を眺めつつ、友人と並んで、雨に降られずに登れたことを祝い、
コンビニ弁当を味わう。
298円の鶏そぼろ弁当が、これほど美味しいと思えたのは、眼下に広がるパノラマのせいだけではないだろう。

このあと帰路も順調に進み、懸念された高速道路の渋滞もなく、大阪へ戻る頃には、空もすっかり青空に…

201706 hyonosen 220

大阪へ戻る車の中で、友人とは、近いうちに、以前に登頂こそ果たしたものの、雨で何も見えなかった徳島・
剣山へのリベンジを誓った。


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  1. 2017/06/04(日) 01:09:14|
  2. 近畿の山
  3. | コメント:2

ツツジとシャクナゲの咲く山で… 倶留尊山

奈良・曽爾高原の亀山峠から続く稜線上の道…

201705 kuroso 105

左手の斜面下から上がってくる小学生たちのにぎやかな声を聞きながら、徐々に勾配が増す道を進みます。

この先、奈良と三重の県境に続く道は、視野が開けて開放的だったものから一転、針葉樹の森へと続き…

  201705 kuroso 101
           201705 kuroso 102
  
右手の木の間越しには、三角錐の山容が美しい局ヶ岳(つぼねがたけ:1,029m)が見えます。

さらに勾配がきつくなる道を進むと、入山料(500円)を徴収する小屋が現れます。
平日にも管理人が常駐するのかな…と小屋の前に立つと、意外にも小さなおばあさんがちょこんと座っています。

「ゴメンネ、大きいのしかなくて…」と1万円札を差し出すと、「ありがとう、気ぃつけてな。」と、おばあさん。
お釣りを受け取りつつも、「(…このおばあさん、毎日、この山道を登っているのか…)」と、半信半疑の面持ちで
小屋の前から道を進み始めるや、小屋の裏手に、果樹園などでよく見かける、人荷用のモノレールが敷いてあり、
おばあさんを運んできたであろう小さなトロッコのような台車がありました^^

トロッコの傍らには、ツツジが咲き誇り…

201705 kuroso 120

さらにすぐ先には、二本ボソ山の山頂(996m)が現れます。

     201705 kuroso 115
           201705 kuroso 116

山頂からは、尼ヶ岳から大洞山に続く稜線越しに、かすかに伊勢湾、知多半島も望めます。

これまで登ってきた方向を振り返って見ると…

201705 kuroso 130

芝を刈ったような緑の斜面が続く曽爾高原・亀山がはるか足元に、その先には、三峰山、高見山を経て、
薊岳へ、さらには大峯山脈の主稜線が幾重にも重なります。
新緑のこの時期は、山の緑に濃淡があり、ひときわ美しいと感じます。

ここでようやく目的地の山、俱留尊(くろそ)山が目の前に現れます。

201705 kuroso 140

ずんぐりとした山容に見えますが、写真右手の三重県側の斜面は、高さ300m以上の断崖絶壁となっています。

昼食休憩ののち、俱留尊山へ。稜線上の道は、いったん急な坂道を下っていきます。
鞍部まで下りきる直前になると、シャクナゲの群落が現れました。

201705 kuroso 215

野生のシャクナゲ、この時は花が盛りで、色合いもほんのりピンク…

201705 kuroso 110

予期していなかった見頃のシャクナゲ、森が明るく感じられます。

ここから俱留尊山への登りは、一層急な道となり、これを登りつめるとようやく頂上へ…

201705 kuroso 200

標高1,037mの山頂は、木が覆い茂り、南から西方向以外の眺望は得られません。

その一方で、ツツジが多数咲き誇り…

       201705 kuroso 230-550
              201705 kuroso 210-550

緑とのコントラストを楽しみました。

ここで、三重県側から急な坂道を登ってこられたという方と、しばし談笑…。
スマホをかざすと山の名前が出てくるアプリで山の名前を確認されていたものの、いまひとつ画面表示が見にくく、
自分が知っている範囲内で山の名前をお伝えしました。

この方、名古屋方面から来られたとのことでしたが、柔和な表情が印象的…
山で天気が良いと、誰もが自然と笑顔になれるような気がします。

ちなみにこの方とは、一旦別れたのちも、帰路となる鞍部のシャクナゲの所で再び出会い、「きれいですねぇ…」、
「花の色も今が一番きれいで…」と褒め合いに(笑)

新緑の山を称して「山笑う」…

201705 kuroso 220

そんな時期にふさわしい山での出会いでした。



 

  1. 2017/05/20(土) 17:49:07|
  2. 近畿の山
  3. | コメント:0

樹氷ハイク 奈良・明神岳

頭上に広がる樹氷…

201612 myoujindaira 110

年末年始の休みの山登りに選んだのは、この時期の雪山ハイクの定番、奈良・明神平。
駐車場から雪道を1時間余り進むと、すっかり白銀の世界

201612 myoujindaira 140

とはいえ、積雪はせいぜい10センチ。
4本爪のアイゼンに、スパッツなしで歩ける道は、快適そのものです。

標高が上がるにつれ、枝につく通称「エビのしっぽ」も、徐々に大きくなります。

201612 myoujindaira 120

やがて、右手側が開けると…

201612 myoujindaira 155

樹氷の間から薊岳の姿。
さらに右手遠くには、金剛、葛城の山並みも。

そしてゆっくり登ること、一時間半。前方の樹々が無くなり、視界が開けると、そこは誰もいない明神平…

201612 myoujindaira 170

気分も天気も最高だなぁ…
(つづく)


 

  1. 2017/01/02(月) 21:37:10|
  2. 近畿の山
  3. | コメント:0

ススキ揺れる葛城山

水越峠から登った日は、あいにくの曇天であったため、後日、ロープウェイ側から葛城山を訪れました。

この日は、快晴に恵まれ…

20161203 katuragisan 1001-2

飛行機雲が流れる空を背景に、ススキが優しく揺れていました。

この日は広角レンズを使ったため、いつもとは異なる写真の仕上がり…?^^:

20161203 katuragisan 1003


明るい陽射しを受けて銀色に輝くススキ

20161203 katuragisan 1002


いつまでも観ていたい葛城山の初冬の風景…

20161203 katuragisan 1004

しばしの間とはいえ、胸がすくような気分に浸れました。



 

明日から、また週末勤務…orz
心が擦り切れないようにしたいね^^

  1. 2016/12/09(金) 22:06:17|
  2. 近畿の山
  3. | コメント:2
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プロフィール

HAM1826

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